2025年01月08日

英雄伝説 界の軌跡 (5)

界の軌跡 -Farewell, O Zemuria- プレイ記、最終回です。年末年始の休みで突破できました。恒例の総評から参りましょう。
全体的な評価としては……中の下くらいでしょうか。不満の大きいところはやはりストーリーが中途半端で終わるところに尽きますね。軌跡シリーズじゃ良くある(1作目からして……)パターンではあるのですが、前作ラストで「次が黎の最後」と明言してのこの体たらくですから、信用を裏切る行為だったと思います。
それから、サブタイトルの 「さらばゼムリア」からてっきりゼムリアの外に出ることになるのかと期待したのですが、ゼムリア世界の危機が描かれただけでそんな展開は無かったのも残念でした。

とまぁそんな不満があっても中の下まで評価が上がっているのは、途中の展開が面白かったり軌跡世界に関する情報がたくさん出てきたりしたおかげです。結社の企みも受動的ではありますが進んだらしいですしね。
メインストーリーはヴァンを中心にした黎メンバーで進みますが、補助的なストーリーは旧作主人公のケヴィン、リィンらの視点で進行し、それぞれのパートのシナリオのテイストが違って飽き難くしてあったのが良かったと思います。


ゲームとしての内容は、可も無く不可も無く。実績や収集要素は取り逃しを回収しやすくなっていてストレスを感じませんでした。コネクトイベントも、選べなかったキャラ分を後から回収できるようになっていましたし。ただここまで来るといちいちコネクトポイントで読める数を制限する意味自体がないようにも思えますが……。
戦闘システムは、前作までのシステムをベースに閃III〜のオーダーなども盛り込んだ、かなり複雑な物に仕上がっています。慣れれば把握できる範囲ですが、初心者には決して勧められないRPGと言えるでしょう。まー長大なシリーズ物なので新規プレイヤーは手を出したりしないでしょうけど。
あとゲーム後半でもワンサイド戦闘ばかりにならないように工夫が見られますが、個人的に好きでないアプローチだったのは残念でした。特化型のコアだけ数を1個に減らしたり、ボスへの一定ダメージでスタンゲージをリセットしてみたり。特に後者、閃で散々やって黎で見直したのかと思っていたら、ここに来て復活とか本当に止めて欲しかった。


お気に入りのキャラはルーファスさん。元貴族の高貴さと貧乏自虐を持ちネタにするスタイルの両立が何か面白かったです。キャラ性能も悪くなかったしね。
他も全体的に良い奴ばかりなのですが、その奥に制作側のキャラヘイトを恐れる姿勢が強く出ていたのがかなり残念でしたね。ヴァンの黒に近い活動はほぼ無くなり、味方キャラによる殺し描写もない……というのはまだ分からないでもないのですが。
極めつけに酷いと思ったのは、借りパクにフォローを入れた事です。ダンジョンにレンタカーで乗り付ける→ピンチを助けに来た飛行船で脱出……という流れなのですが、次の日になって飛行船の乗組員が「レンタカーは返却しておきました」とか言い出すんですよ。
いや自分たちの命の危険とか大陸の重大事とかかかってる状況で、敵対勢力のいる街にレンタカーを返す為に人員を割き、さらにその人をピックアップしてからターゲットを追うとか何を血迷ったらそんな行動を取るのよ!? 大事の前の小事でレンタカーなんかほっとけよ。そんなことわざわざ喋らせるなよ。
いや分かりますよ? こういったフォローがなかった場合、昨今のオタク層なら「○○は借りパク野郎」と延々揶揄し続けることは明白ですから、メインキャラにそんなイメージを付けたくないってのは。でもそのせいで無理のありすぎる展開になっちゃうのは駄目でしょうに。偏狭なオタクには言わせときゃ良いんですよ、どうせ何やったって満足しないんだし。
ともかく、主人公サイドに多少の悪行や落ち度があっても良い、くらいの姿勢で物語を作って貰いたいものです。


なんか脱線してしまいましたが、本作の総評としては前述の通り中の下ということで。軌跡シリーズを知っている程度の人には、次回(?)で完結してからプレイすれば良いんじゃないか程度のオススメ度ですね。でも設定の開示が結構あるので、そういうのが好きな軌跡ファンにはお勧めかも知れません。


さて、続きは終盤〜エンディングまでネタバレバリバリのプレイ記です。今回は突っ込みや考察・妄言盛りだくさんですので苦手な方はご注意ください。



最終幕開始。ロケット発射まで数時間というところで首都に戻ったアークライド一行は、アニエスら民間人救出の名目で大統領府に乗り込みます。なんか遊撃士みたいな大義名分ですね。
大統領府に潜入し首尾良くレンを救出するも、アニエスらは謎の地下施設に居ることが判明。それを追って地下に突入すると、中は最新鋭の警備ロボットのオンパレード。一発喰らうだけで敵先制戦闘になる雑魚敵はまさに脅威。終盤に相応しい難敵です。
それらを退け、最深部のアニエス監禁部屋の前で待つのはミラベルさん。大量のロボを使役して来ますが開幕Sブレイクの餌食。戦闘後にミラベルからリゼットの秘密が語られます。曰くリゼットは七耀歴1259年の刻印入りのマシンの中で発見された人間で、マルドゥック社脅威のテクノロジーの源泉はその未来マシンを研究したことにあると。
ここに来て興味深い話が出てきました。エプスタイン・ハミルトン両博士らに予見されている1209年の世界の終わりよりも先の時代が存在すると。そして共和国編から技術が進みすぎだとは思っていましたが、やっぱりマルドゥック社はオーバーテクノロジーだったんですね。

何はともあれこれでアニエスとご対面……と思いきや、彼女は一足先に自らの意思で残滓ワープで逃亡。ハミルトン一派としての行動のようですね。
目的を失ったヴァンらは大統領の元へ行くことに。国家プロジェクトの喉元に目的のハッキリしない武装集団が居るという、非常に怖い状況です。
と、ここで庭城の最終ステージ開放のお知らせ。話の腰を盛大に折るタイミングですが、今行かないともう後戻りできない状況になりそうなので、泣く泣く庭城攻略へ。
庭城ラスボスは新型結社マシン&ノバルディス博士。勝利すると、博士が自身が探っていたデータの内容を教えてくれます。曰く、ノバルディスはエプスタインの弟子であったと。現在のエプスタイン三高弟と矛盾する存在ですので、どうも並行世界?の人間のようですね。
そしてリゼットマシンの情報も持っているマルドゥックのコンピュータは別の世界や未来の情報を蓄積していて、それにアクセスすることが結社の庭城クラッキングの目的だった訳ですね。なるほどなー。
ヴァンの目当てであったメアの正体については謎のままですが、未来テクノロジーが関係してそうですね。ここは引っ張らないで開示して欲しかった。
なお、事態は結社の盟主が姿を見せて博士を回収することで収集されました。仮想空間とはいえ盟主が部外者に姿を見せたのは初めてでしょう。ベルガルドさんが特に反応していないので、盟主の正体が教会のお偉いさん〜とかそういう線は消えたようです。その辺は順当に次回以降に持ち越しですな。

舞台は実世界の地下施設に戻り、いよいよ大統領とご対面。
大統領の口から語られるロケット打ち上げの目的とは、宇宙の天蓋の裏に潜む刻の至宝を破壊することだったそうです。曰くこの世界は約1200年ごとに刻の至宝にリセットされて「大崩壊」直後に戻るのだと。
……うーん、突然イース7みたいな設定がぶっ込まれましたね。1作だけの世界ならまだしも、20年続けてきたシリーズでこれをやるか。でもまぁ、とりあえず当時と同じ台詞を送りましょう。この世界定期的に滅ぶNE!
というか、刻の至宝って空3rdの事件の原因になった箱じゃありませんでしたっけ? うーん、記憶違いかな。

つまり庭城のラストで聞いた××期、という数字は世界の巻き戻し毎にカウントされる数字だったんですね。ループn回目の世界と聞くとどこぞのチェインクロニクルが思い出されますが、あっちは世界が滅びた後に同じ人物が発生するという(無茶な)設定で、こっちは時間が巻き戻るという方式なんですね。
しかしさっき真相が判明したノバルディス氏は本来別の期の人間なわけで、何らかの方法で巻き戻しを回避できる、あるいは残滓のように別の期に移動する方法とかがあるみたいですね。
っていうかリゼットの出身はリセットポイントから50年以上先なのですが? リセットは掛かっても前の期の社会が維持されるケースがあるのか、それともループを抜けた第3部本当の未来から来たのか? あと地形が違う期もあるっぽいけどホントに時間巻き戻ってる? ゼムリア大陸の外は女神の力が及ばない別の世界らしいけど、1200年周期を2万回繰り返したゼムリアは余所から見たら2400万年遅れてるってこと? 貴重な生物の宝庫?
いやーこりゃあ材料が供給されずぎえ考察が止まりませんな。

ともかく、暗躍するアニエスは自己犠牲的な何かでそれを防ごう?とし、ハミルトン博士は残滓で「あり得ないこと」を起こして世界を揺らがせることでそれをサポートしていると。それに対して大統領は娘を犠牲にしないためにも根本解決、即ち至宝の破壊を試みている訳ですね。
そこらにヴァンの魔王設定もなんか絡んでるらしいのですが、今は開示されず。と言うわけで一般人のヴァンさんはロケット打ち上げ延期と親子の対話を求めて戦いを挑みます。んー、戦ったところで止めないでしょこれは……。
ボスはカシムとルネ、お供にアルマータの復活怪人2名。マルドゥック技術で蘇生したそうですが、プレイヤーからすれば残滓と大差ないんだよ! 敵は現代最強さんですが、正直これまでの大ボス類からすると格的には大したことがない感は否めなせん。

戦いには勝利しますがカウントダウンは普通に進んでロケットは無事発射。ですよねー。無事宇宙に出たエルメスさんと最新ロボエクスキャリバーは天蓋を目にします。っていうかデブリ多過ぎるぞ宇宙。やっぱ那由多と同じ、破壊された惑星が舞台なのか?
姿を現した時の至宝・レーギャルンの匣は、人類が宇宙に出たことをトリガーにグランドリセットの秒読みに入ります。これに対しエルメスは小型反応兵器で攻撃。さらに地上から大型反応兵器ミサイル8発が撃ち込まれます。なるほど納得、ロボは本命のミサイルを誘導するのがメインの役割で、戦闘能力は自衛のためだったんですね。
めでたく匣は破壊され、大統領もほっと一息。と思ったのがつかの間、匣から湧いた影ロボによってエルメス機は撃ち落とされ、残る16発のミサイルも撃ち込まれますが匣の再破壊はならず。

予想外の結果に大統領はパニック。マルドゥックAIを過信したのが敗因ですね。そりゃーいくら他期のデータの蓄積があっても今まで匣破壊に成功してない訳ですし、それを機械学習しても、ねぇ。
なおサーバーにゲネシスを取り付けてAIの予測精度を上げていたそうですが、当日取り付けるんじゃなくて準備段階から使って反応兵器24発で落とせるかちゃんと試算するべきだったんじゃないですかねぇ。
なお、そのゲネシスはルネが量子的に白コアとすり替えて、現物はアニエス組に渡していたそうです。ハミルトン派だったのねルネ。裏切りに怒るカシムはルネを拘束しますが、ルネは白コアの力で白いグレンデルへと変身。ヴァン達と戦闘になるのでした。
これがラストバトルになるようですが……前作の二番煎じじゃん。そんなラスボスで大丈夫か?

でもまぁ戦闘難度は十二分にラスボスです。前半戦→アクション戦闘→後半戦と戦うのですが、この後半が凶悪の一言。半分以下にどころかちょっと体力を減らしたと思ったらSブレイクでこちらは壊滅状態、立て直し中にもう1回Sクラフトでエレイン以外死亡。セレスティアルで復活させた、と思ったら即Sクラフトでエレイン以外死亡。CPいくつ持ってんだコイツ。
めげずに蘇らせたら今度はZOC3回行動でエレイン以外死亡。セレスティアル→ZOCでエレイン以下略。そこまでやってようやくシャードコマンドの被ダメ減を思い出し、何とか立て直しに成功しました。いや軌跡でここまで死んだのは初めてです。っていうか何喰らっても生き残るエレインは異能生存体かなんかか? それともルネの手心みたいなのがシステム的に反映されているのか?
ボロボロになりながら勝利しましたが、軌跡お得意のシナリオ上は負けパターンでルネはアニエスの元へワープしていきましたとさ。ヴァンさん完敗。

さて、アニエス・ドミニク・ルネ・ハミルトン(通信)が集うのは首都のトリオンタワー。ここでアニエスは「何か」を行ってグランドリセットに対処しようという訳ですね。
通信が繋げられたヴァン達はアニエスに対して止めろめろめろの大合唱。正直なところプレイヤーにはこれから何をするのか、アニエスがどうなるのか分からないのでここまで必死になる理由が分かりません。世界の終わりまであと1分とかそんな状況なので、「何だか分からんがやってみろ」と送り出す奴が居てもいい場面なのでは……?
前作もそうでしたが盛り上がりの場面で制作側とプレイヤーの温度差あると、実際キツいですね。しかもボタン連打でボイス飛ばせないタイプの演出だし。
結局アニエスはゲネシスの力でヘイロー付き謎コスチュームに変身。匣のグランドリセット発動に合わせてグランドリセット再構築と唱えて、時間の巻き戻しの範囲を狭めた?ようでした。何が起こるはずで、再構築によってどう変わったのか、具体的には何も分からないままエンディングへ。


終わりました。冒頭に書いたように話が完結しないことに加え、最後のワケの分からなさ・置いてけぼり感が半端ないエンディングでした。
クリア後のダンジョンとか2周目要素とかはなさそうです。え、ってことはヒロインは敢えて庭城用に編成しないと戦線離脱のままですか。専用装備も来たのに。前作のようにアップデートでクリア後ダンジョン追加とかもなさそうですねぇ、発売からもう3ヶ月経ってますし。
この引きだと続編は早めにプレイしたいところですが、今年のファルコムのゲームリリース予定に軌跡の新作はないようなので1年以上待たされるんですかねぇ。

プレイ中も色々疑問・突っ込みが出ましたが、改めて考えてみても疑問は尽きません。
天蓋が何故揺り籠やセーフティなのか(ものすごい太陽風でも来るのか? それが大崩壊?)、グランドリセットで時間を巻き戻しているのに遺物が残ったり記憶を保ったりする事があるのは何故なのか(単なる匣の老朽化説、ハミルトン式揺らぎ増強の効果説、クローデル式再構築の恩恵説)、再構築がリリヤ・ソフィーと同じ道とはどういうことか(ソフィーは病死?の筈。5年前に人知れず再構築を発動し衰弱状態になった?)、カンパネルラの「結社の計画はこれからだ」「リセットを特等席で見るのは初めて」発言の真意は(永劫回帰計画も何回もリセット喰らってるってこと?)、などなど。

中でも私が特に気になっているのは次の2点です。

・匣のアナウンスは誰に向けたものなのか?
匣さんは律儀にリセットを開始する理由から当初のリセット予定時刻、リセット回数、カウントダウン、迎撃システムの状況、自らのダメージ量まで事細かに現代語で説明してくれます。一体これは誰に対して、何のためにやっている……というかやる機能を持たされているのでしょうか?
リセット発動時点で「七耀歴0年」なんて言っていたので、人類に暦を与えてさらに認識操作でそれに疑問を抱かずに使わせるとかそんなことをしてるっぽいです。しかし、カウントダウンやダメージ量まで伝えているとなると、リセットを阻止されたり破壊されたりすることも織り込み済みって感じなんでしょうかねぇ。
するとありそうなのが、宇宙に潜む本当の脅威(=大崩壊の原因?)に打ち勝てるように人類を鍛える、軌跡的に言うならば「試し」をする至宝だ〜とかいう線ですね。「試し」は閃で散々やったので勘弁して欲しい展開ですが……。
それにしても暦に「0年」を使う不自然さは、汎魔化の時の「59分99秒」と同じような方向性を感じますね。この辺りから魔王との関わりが見え隠れ……してないか。
あ、でも空3rdあたりでは空=聖、刻=魔みたいなニュアンスがありましたし、刻の至宝と魔王・悪魔あたりの繋がりは割とアリかも?


・残滓の持つ未来テクノロジーは何なのか?
仮面軍団・残滓が未来の武器を持っていたりしましたが、この存在が疑問です。残滓は別の期の人物を何らかの方法で19999期に連れてきた代物なのに、何故1209年視点で未来と思われる技術を持つことが出来るのでしょう?
仮に技術の発展めざましい期があったとしても、それを指標化したSiN値が閾値を超えるとグランドリセットしちゃうんで、結局どの期の科学技術もどんぐりの背比べにしかならない筈なんですよね。
そう考えると前の期の残骸であるアーティファクトが1200年代でも解析できないってのはおかしな話で。エクスキャリバー像なんか、フツーに現代テクノロジーなんだからケヴィンが回収した10年前でもなんとなく分かっただろーに。きっとパーツにヴェルヌ社の刻印とかあるんだろうし。
でもこの設定、閃2に出てきたロストクオーツが何故現代の戦術オーブメントに適合するか、という問いに対する答えとしてはスマートだなーと思うんですよね。きっとARCUS IIが業界標準になった期に開発されたんだろうなぁ……。
ともあれ、そんな技術たちも匣の打倒には失敗した訳でして。事を成すには低SiN値・高パフォーマンスな技術が求められるのでしょうね。匣対策に心血を注いだエプスタイン氏が導力技術を発明したのは、それこそがSiNパの高いテクノロジーだったからかも知れません。導力だけじゃ宇宙に行けない訳だしね。


えーと、どっちの考察も脱線してしまいましたが、それくらい発展性のあるテーマだと言うことでひとつご容赦を。何だかんだこーゆーこと考えるのは楽しいですね、おかげで今回の記事が過去最大に長くなってしまいましたし。
どんな形であれ、楽しめたということは良いゲームだった……のかな? うーーーーむ。
ラベル:PS5 界の軌跡 RPG
posted by ひろし at 01:01| Comment(0) | TrackBack(0) | ゲームプレイ記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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