2015年09月13日

Chain Chronicle Global を読んでみよう

以前に紹介した北米を中心とした西洋向けのチェインクロニクルChain Chronicle Global(以下CCG)ですが、割と独自路線に発展してきていて面白いです。
ベースとなるストーリー・キャラクタ・イベントはほぼ本家日本版チェインクロニクル(以下本家)を踏襲しているのですが、それにプラスする形で対人戦モード(敵はCPU操作)や豪華報酬の対人ランキング競争、武器作製にフレンドとのAP融通機能、直近ではVIPモードという課金優遇機能など、追加要素がてんこ盛りです。
オリジナルキャラなんかも既存キャラの互換っぽいのから尖ったキャラまで色々いるので、そのうち破綻するんじゃないかとヒヤヒヤしつつも楽しく遊べます。

ですが、折角のストーリー重視ソシャゲのチェンクロですので、今回はシナリオ面に目を向けてCCGの魅力をお届けしようかなと言う記事です。
なお実は私は本家は遊んでおらず、PS Vitaで稼働中のチェインクロニクルVのプレイヤーです。と言うわけで正確にはVとCCGとの比較になります。まーシナリオ面については大差ないと思いますので問題無いでしょう。
以下、続きにはチェインクロニクルのストーリーのネタバレがたくさん入っておりますので未プレイの方は閲覧の際はご注意下さい。



お名前は?

まずは聖王国の聖王陛下。偉大な王でしたがストーリー開始時点で故人で、彼の娘「聖王女ユリアナ」や忠実な騎士であった聖騎士団総帥アインスロットはストーリー上でも大きな役割を果たします。
ですが、偉大すぎるためかみんな「聖王」「聖王陛下」と呼ぶため名前が出てこない人です。人気投票でも「聖王」扱い。(リンク先の082番の人)

ccv_hk.jpg

ccg_hk.jpg
(スクリーンショットは同じシーンです)

しかしそれでは収まりが悪かったのか何なのか、CCGでは Holy King Nicolaus と名前が出てきます。でも Nicolaus の名が出たのは私の知る限りここだけです。うーん、なんで出てきたんだろう?
これが本家から渡された公式設定に基づく名前なのか、翻訳者がテキトーに振った名前なのかは分かりません。謎は深まります。
ちなみにユリアナは本家では王女ですが、CCGでは"Holy Queen Juliana"と既に女王に即位済みの肩書きを持っています。アレですね、ジュリアナにクイーンと付くとイメージが……。



さて、お次はプレイヤーが使用できるアルカナキャラたちです。
チェンクロに登場する多くのキャラは、割と現実的な名前が付けられています。しかし西洋風の名前は多少日本人好みにアレンジされていることもあるため、CCGではそれらを微修正しているケースがいくつかあります。
例としてはこんな感じです。 
ウーヴィア → ウルスラ (Ursula)
セミマル → セミアル (Semial)
カルネロ → カルメロ (Carmelo)
ディ・ロ → リロ (Lilo)
スルスタン → トリスタン (Trystan)
いかがでしょう?
セミマルは九領の人なので「蝉丸」が元ネタの日本語名のはずですが、アラブ系?の名前に直されてしまったようです……。現代人にはなかなか居ない名前ですからアメリカ人には日本語名と認識されなかったんでしょうねぇ。坊主めくりで遊ぶこともないでしょうし。
ちなみに初期の九領出身者はバイセツ(Baiset)やカンベエ(Kanbeh)なども綴りが少し怪しげにアレンジされています。でもまぁ何となく読めるのと国籍不明な名前なのでセーフとしましょう(何が)。



彼? 彼女?

英語と言えば性別によって代名詞を使い分ける言語です。これに注目すると色々面白いことがあります。
まずは物語の狂言回しであるピリカ。性別不明(というか無性別)の妖精であるピリカはCCGでは女性格を与えられています。下のシーンはピリカ活躍後の一コマ。

ccv_pirika.jpg

ccg_pirika.jpg

まあ、無性別だからといって it と呼ぶわけにもいかないでしょうし、妥当なところでしょうか。
なおCCGはストーリーやエピソードは本家と同じなので、ピリカは本家同様美人やセクシーな女性に目が無く、時には胸元や太ももに潜り込むなどの破廉恥行為に及ぶのも同じです。そんな時でもフツーに she とか言われています。倒錯の世界ですねー。いや元々無性別であーゆー行動に出ていた時点でだいぶおかしいのですが。



お次はピリカ同様に性別がない種族の火妖精。これはいろいろなキャラがおり、日本版では口調や態度などで何となく男性格や女性格が割り振られているように見受けられます。
が、CCGでは見た目のかわいらしさからか大半が女性格を与えられているようで、キャラクタのプロフィールは軒並み she や her です。が、何故かトトチャム=チャムのみ男性扱いされています。
本家のエピソードを見る限り、キキファン=ファンあたりは男性格が妥当なんじゃ無いかと思うのですがねぇ。外見も、二人ともチャム=チャムよりは男の子っぽいのに。この辺の判断基準が謎です。



お次は第1部ストーリー上の強敵として何度も登場する魔神エイレヌス。
半裸の悪魔っ娘ですが残虐非道の悪役であり、さしものピリカも彼女にはのぼせたりせず「あいつ」などと憎々しげに呼びます。

ccv_eirenus.jpg

ccg_eirenus.jpg

これがCCGでは、なんと男性格。立派な乳房を見せつけているのに he 扱いされちゃってます。
何でかなーと思ったのですが、これはキャラの名前が原因じゃないかと推測します。恐らく翻訳者は文章だけを見て英訳して、ゲーム画面はおろかキャラ画像も見ていないんじゃ無いかと。
そうなると「エイレヌス」なんて名前から性別を推定しないといけないわけで、女性っぽくないので男扱いされたんじゃないかと思ったわけです。チェンクロの魔神は元ネタ(ヌクテメロンの鬼神)をもじって付けられているので、男か女かなんて分かりませんしね。
なお気になって第1章を読み返してみたら、名前が???の時は She と女性扱いされていました。……担当者違ったのかな。っつーか統一しろよ。



ちなみにこうしたミスはたびたび見られ、プロフィールではちゃんと女性扱いされているシューレ(Schule)なんかもシナリオ中で男性格が与えられてしまうことがあります。賢者の塔外伝の一コマ。

ccv_shule2.jpg

ccg_shule2.jpg

Schule はググってみたところドイツ系の女性名らしいですが、翻訳者には馴染みがなかったのかも知れませんね。
CCGは現在英語とフランス語が実装されていますが将来的にはドイツ語も予定に入っているようですので、ドイツ語実装の暁にはちゃんと女性格が与えられることでしょう。たぶん。




意訳? 誤訳?

翻訳物で面白いのが意訳ですね。文化の違いや翻訳者の苦労の跡が見られたりすると楽しくなります。
しかしCCGではあまりそうした点は見られず、結構本家に忠実に英訳されている感じです。決まり文句とかの言い回しはそれらしく変わっていますが、違いはそれくらいです。
そんな中で気になったのはこのシーン。

ccv_louise.jpg

ccg_louise.jpg

ユリアナの影武者・ルイーゼさんの本職が侍女から女剣士に変更されています。意外な変更ですが、これはユリアナ自身が結構強い剣士なので、その影武者を務めるルイーゼも剣士設定にしたのかな? 微妙な変更するなー、なんて思っていたのですが……。
画像を見ているうちに気づきました。これ、「侍女」を「さむらいおんな」と分解して読んで swordswoman にしてしまった、誤訳じゃないかなと。その後剣士らしい活躍なんか一切しないわけですし。
……ドンマイ。



最後にもひとつ。第1部最終章、全ての勢力が共同して王都に巣食う黒の軍勢と戦う、まさに王道のクライマックスです。
この中で賢者の塔の賢者たちは前線に出ず、塔からの遠距離射撃「賢者の塔ビーム」で援護(と言うか雑魚の殲滅)をします。普段はコメディ要員である力の賢者メルティオールの面目躍如です。
しかしこんな半ギャグ兵器が使い続けられる訳も無く、主人公たちの道を開いた直後にあえなく壊れてしまいます。その際の一コマ。

ccv_melchi.jpg

ccg_melchi.jpg

何故 nuclear を足した。良いじゃん、普通に reactor で。っていうかそのビーム放射能汚染は大丈夫なのかよ。王都奪還したけど人が住めなくなったとかだと困るぞおい。

……えーと、日本じゃなかなか核とか原子力とかいう言葉はゲームなどで軽々しくは使えない雰囲気があるのですが、アメリカじゃ不必要に足したりしても問題無い感じなんでしょうかねぇ。
でも逆に考えると、最初に挙げたアインスロットの台詞で日本語では「神よ」と入っていますが英語では入っていないんですよね。チェンクロ世界(というかユグド大陸)の宗教観とかよく分かりませんし、アメリカでは「神」という言葉を軽々しくは使えないのかも知れません。
そう考えるとなかなか面白い文化の対比になりましたね。



と、オチが付いたところで本記事を閉じたいと思います。他にも探せば色々面白いネタはあると思うので、興味のある方はCCGをプレイしてみてはいかがでしょうか。
インストールには少し手間がかかるのと、日本は基本的に運営エリアから外れているのでサポートが受けられないのが難点ですが、何か楽しい発見があるかも知れません。

---(2016/1/24追記)2016/2/29をもってCCGは終了する事が決定し、新規にダウンロードして始めることはできなくなりました。(追記ここまで)---
posted by ひろし at 01:09| Comment(0) | TrackBack(0) | ゲーム紹介 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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