2010年02月22日

タイミングマニア

PS3の音ゲー、The Beatles: Rock Bandには、プレイ環境によるタイミングのズレを補正するために、マニュアルタイミング合わせ機能が付いています。これは、音と画像を時間遅れを個別に測定する事で、どのような環境でも安定したゲーム性を約束してくれる素晴らしい機能です。
その補正量を調整は手動で行うのですが、これをやるとただ黙って適正に補正してくれるだけでは無く、どれだけズレていたかをミリ秒単位で表示してくれます。つまり、この機能を利用する事でそのプレイ環境の遅延が測定できるわけです。

と言う事で、いつかやろうやろうと思って面倒だから先延ばしにしていたこの測定を、私の持っている機器類を色々組み合わせて行ってみました。
昔、液晶ディスプレイを買った時にやりましたこちらの実験の上位版とも言えるかも知れません。見方によっては、実際のゲームで成績を出した前回の方が有用とも言えますが。
ちなみに、使った機材はこの頃と大して変わっていません。つまり普通のテレビは無いので、多くの人には参考にならないデータだと言う事を予めお断りしておきます。


尚、今回の記事ですが、特定のハードウェア(ディスプレイ、スピーカー、ゲーム機など)やそのメーカーに対して過剰な愛または敵意を持っている人は、先を読まずにこのままこのページを閉じるようお願いします。
それでは、続きをには測定方法・結果などをご紹介します。



それでは、まず登場するハードウェアの紹介から。( )の中は、これ以降での呼び名です。また、説明する機能は今回実際に使ったものだけですので、各機器はここに紹介する以外の端子や機能も持っています。詳しく知りたい場合はリンクを辿ってみて下さい。

PlayStation 3 初期型
言わずと知れたソニーの据え置き型ゲーム機です。これが無くてはゲームが動きません。
映像はHDMI・D端子。音声はHDMI、光、RCA(赤白の奴)と様々な選択肢がある(検証の手間的に)ニクい奴です。
また、コントローラもギターコントローラ(ギターヒーロー3同梱版)、DUALSHOCK 3、SIXAXISと色々あります。

FlexScan HD2452W  (LCD)
ナナオの誇るフルHDマルチメディア液晶モニタです……って、いつの間にか生産終了してたんですねぇ。
HDMI、アナログRGB、D端子の各種映像入力が出来、音声出力端子はスピーカー用とヘッドホン用の2系統を備える(手間的に)ニクい奴です。

FlexScan T765  (CRT)
ナナオの誇る21型CRTディスプレイです。19型だとばかり思っていました、済みません。ただただ愚直に映像を映してくれる頼もしい奴です。

XRGB-3
電波新聞社の放つ渾身のアップスキャンコンバータです。何をする機械かと言いますと、TV向けの各種映像をPCのディスプレイで映せるようにする変換器です。(勿論他の用途もあります)
色々な入力端子や出力モードを持つ厄介な奴ですが、今回はD4入力をトラスコモードでアナログRGBに出力する方式一択で使用しますので、面倒くさがりの私にも安心です。音声はライン出力とヘッドホン端子があります。
ちなみにファームウェアはVer 1.03くらいのままUPしないであります……そろそろ上げどきかなぁ。

ATH-DWL5000  (TR)(WL)
オーディオテクニカ社製のワイヤレスサラウンドヘッドホンです。
光デジタル、ライン入力を受けたトランスミッター(TR)が、無線でワイヤレスヘッドホン(WL)を鳴らしたりライン出力したりできます。
更に、トランスミッターにはステレオ入力を擬似的に5.1chに変換したりするエフェクト機能(DH1〜3)が付いていますので、組み合わせは膨大です。が、面倒なのである程度端折ってます。

BOSE Micro Music Monitor  (スピーカー)
アンプ内蔵スピーカーです。HD2452Wとのセット販売されてた奴で型番はよく分からないのですが、形状的にはリンク先のM3という奴と同じです。

HP-FX500  (ヘッドホン)
ビクターの人気(だった)インナーイヤーヘッドホンです。かなりお気に入りで外出時に愛用している物ですが、普通のヘッドホンが無いのでヘッドホン端子の検証に今回使います。


……以上、登場する機器類でした。バキ的にテンションを上げて紹介したかったのですが、私には無理でした。済みません。
それにしてもアレです。自分で言うのも何ですが、就職して小金持ちになった独身貴族のオタクが、ちょっぴり贅沢のつもりで訳も分からず買い集めた感たっぷりのラインナップですね。まぁ、自分が満足しているから良いんですけど。
ちなみに、これ以外にも音声ケーブルの延長とか端子の変換とかもしていますが、この辺は省略しています。スピーカーにはミニジャックじゃないと刺さりませんからね。

これらを色々と組み合わせてタイミングを計測するわけですが、実際に行うテストについて軽く触れましょう。
まず音ですが、bpm120くらいで繰り返すドラム音に合わせてボタンを押します。試行中は時間経過を示すゲージが動くだけで、音に合わせた動きはありません。30回ほど繰り返すと、結果が出ます。
次に映像は、メトロノームが左右に振れて、両端に着いたタイミングでボタンを押します。試行中は完全に無音です。これは10往復くらいで終わり、最後の結果が出ます。
このテストの良いところは、試行中にフィードバックが無い事です。例えばビートマニアのように、下手にリアルタイムでズレが分かってしまうと、それを元に人間が補正してしまいますが、これは終わるまで手応えが無いので人間の意志は介在し辛い感じになります。
ちなみに出て来た数字(単位はms)は、入力が遅いほど数字が大きくなります。しかし、入力の癖とか色々な要素がありますので、数字がそのまま遅延時間を示している訳ではなく、相対的な比較しか出来ないと言う事にご注意下さい。マイナス値とか普通に出ますので。


それでは、まず始めに入力デバイス毎の差を見てみましょう。
接続はPS3をHDMIでLCDに繋いで、LCDからスピーカーへ出力している状態(後で言う1-a)です。

環境音声(ms)画像(ms)
ギタコン-6329
DUALSHOCK3-6817
SIXAXIS-5617
SIXAXIS
(USB接続)
-5824

以上です。この程度の差ですと、ほとんど同じと考えて良いと思います。
ちなみに、このゲームの初プレイ時に合わせた時の結果ですと、ギタコンを使って音-42の画像2でした。つまり、日によって(ひょっとすると試行によって)20ms程度の誤差は出てしまう訳です。
また、PS3のコントローラのUSB接続は充電の意味があるだけで操作は無線のままとよく言われますが、確かに繋いでもタイミングに大差はないようです。
と言うわけで、安定性を重視してこれ以降の試行にはSIXAXISをUSB充電しっぱなしで行う事にしました。


さて、まずは接続組み合わせが少ない画像遅延の方の結果をご紹介。数字で通し番号を付けておきます。

番号接続画像(ms)
1HDMI-LCD24
1'HDMI-LCD(子画面)23
2D4-LCD34
2'D4-LCD(スルーモード)20
3D4-XRGB3-LCD37
3D4-XRGB3-LCD(小画面付き)34
4D4-XRGB3-CRT-9

予想通りCRTの強さが光ります(4)。そしてXRGB-3とHD2452Wはやはり相性(?)が良くないのか、案外遅めです(3)。
また、このゲームはHD出力は720pのみということなのでD端子での接続はD4でしか試していないのですが、I/P変換をすっ飛ばすだけの筈のHD2452Wのスルーモードを使ってみたら14ms程度の改善が見られました(2と2')。多分に誤差っぽい気もしますが、ひょっとするとI/P変換以外にも何か処理をしているのかも知れませんね。割と1フレーム(16.6ms)分に近い数字ですし。
また、子画面に映してみたり(1')子画面をワキに出したり(3')しても遅延に差は出ませんでした。これはちょっと意外でしたね。


続いて、音声に関しての遅延の結果をご紹介しましょう。今度はアルファベットで識別記号を付けます。
番号接続音声(ms)
aHDMI-LCD-スピーカー-63
a'HDMI-LCD-ヘッドホン-64
bRCA-LCD-スピーカー-66
cRCA-スピーカー-85
dRCA-XRGB3-スピーカー-64
d'RCA-XRGB3-ヘッドホン-78
e光-TR-WL-51
e'光-TR(DH1)-WL-28
e''光-TR(DH3)-WL-10
f光-TR-スピーカー-68
f'光-TR(DH1)-スピーカー-52
gRCA-TR-WL-53
g'RCA-TR(DH1)-WL-29
hRCA-TR-スピーカー-51

……なんか項目多すぎで分かりにくい事になってますが、こんな感じです。
最速は当然RCAのスピーカーへの直結(c)。音源と鼓膜までの距離からするとヘッドホンの方が早いとは思いますが、そんな事をすると耳が死ぬので試していません。
全体的にスピーカーとヘッドホンでは同じくらいの値になっていますが、何故かXRGB-3のみスピーカー(d)とヘッドホン(d')に割と大き目の差が付いてしまいました。ただの誤差か、それとも……?
大まかに見ると、前半(a〜d)は-60ms以下で安定しておりますが、やはりサラウンドヘッドホンのトランスミッター経由(e〜h)だとそれぞれ遅延があるようですね。
それに加えてドルビーヘッドホン(疑似サラウンド効果)を付けると当然遅延は増加します。まぁ、音ゲーやるのにわざわざそんな効果を付ける人も居ないでしょうけれど。
また、サラウンドヘッドホンを使う時にRCAと光入力(e,fとg,h)で遅延量が変わらない事は意外でしたが、これはトランスミッター側がデジタルもアナログも同じように一度溜め込んで処理しているって感じなんでしょうかね。

その他、気づいた事としては以下のように。この辺まで表に載せると収拾が付きませんから。
・PS3の音声を「同時出力」にしても、各音声の遅延量に変化無し。画像出力方式を変更しても同様
・HD2452Wは、子画面モードにしたり音声のバランスを動かしたりしても遅延量は変化しない
・光出力の場合、しばらく無音が続いた後の第一声が鳴らない
・ATH-DWL5000のドルビーヘッドホンの遅延は、DH1≒DH2<DH3 な感じ



以上、今回やった実験結果でした。細かい数字が出ましたが、誤差も大きいので余り真に受けない事が肝要です。
総括しますと、やはりアナログ機器(XRGB-3(トラスコ)、CRT、スピーカー)の方がデジタル機器(LCD、ワイヤレスヘッドホンシステム)よりも遅延せずにアウトプット出来る、という結論になりますでしょうか。
そんな訳で、私の持っている機材の中で最も遅延の少ない組み合わせは、4-cということになりました。予想通りと言えばそれまでなんですけどね。
まぁ、折角のPS3をHDMIで使わずに居るのは勿体ないので、これからも普段通り1-a(場合によって1-e)でプレイしていこうと思います。この数十ミリ秒の遅延が致命的になる音ゲーに関して言えば、この補正があれば十分ですし。

と言うわけで、コナミのBEMANIシリーズがPS3とかで出た暁には、同等の補正機能が盛り込まれると良いなー、等と願っております。おしまい。
posted by ひろし at 01:42| Comment(0) | TrackBack(0) | じゆうけんきゅう | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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