2010年01月17日

電波の姫君

本日は、我々(というか私)を絶え間ない突っ込みの渦に陥れてくれた怪作乙女ゲー、プリンセスナイトメアのネタ記事です。
こちら、プレイ記中にも幾度となく書きましたが、設定の矛盾や登場人物達の不可解な行動もさることながら、出てくる数字がことごとく矛盾する(日付すら)というハチャメチャ感が楽しい作品でした。
そんな混沌としたゲーム中で、一番出演してはならない人種が出て来ます。それは、科学者。そう、ムラサメ博士。矛盾だらけの世界の中で表面上頭良さげな話をするものですから、突っ込みどころは指数関数的に増加していきます。

ちなみにこのムラサメ博士こと村雨士郎先生。オフィシャルサイトのキャラ紹介に拠ると、「機械工学、遺伝子工学、生物学の権威」で「フランケンの生みの親であり、ヘルシングを改造した人物」なわけですが、年齢が21歳
21歳で博士号ってだけでも凄すぎですが、全く違う3分野で権威って何だよお前。ついでに、フランケンが4歳ってことはお前アレを17歳の時点で造ったのかよ!?

とまぁ、人物紹介だけでこれだけネタになる博士ですが、今回は作中「包帯の男」の章で出て来た、このシーンについて考察してみたいと思います。
prntmr6.jpg
以下、プリンセスナイトメアのネタバレと駄文が続くので折りたたみます。



さて、主人公・リトルに研究対象として興味を持った博士が彼女をおびき寄せようとするこちらのシーン。博士は姿を現さず、バンパイアであるリトルにのみ聞こえる方法で連絡を取ってきます。
しかし、具体的にどうやって連絡を取っているのか全く分かりません。上の画像で説明っぽい事を言っているようですが、説明になっていませんし。
とりあえず、問題のシーンを一部引用してみましょう。
何者かの声 ”リトル・ドラクレア……”
リトル 「………………………………………………」
何者かの声 ”リトル・ドラクレア……聞こえるか?”
リトル 「なに? 何なの……」
辺りを見回したが、誰も居ない。
何者かの声 ”このメッセージは、200kHzのパルスで送信されている……”
  (中略)
リトル 「アンタ、一体何者なの? 包帯の男は死んだんでしょ?」
何者かの声 ”彼は僕の判断で処分した。勝手な行動を取ったのだから仕方ない”
リトル 「勝手な行動? あのタイミングなら、お兄様を殺せると思ったんでしょう?」
  (中略)
リトル 「本当でしょうね? 声を聞かせなさい!!」
何者かの声 ”ダメだね”
何者かの声 ”繰り返すが、このメッセージは、200kHzのパルスで送信されている”
何者かの声 ”パルスの送信元が、バンパイアであるお前にはわかるだろう? 僕はその場所にいる。君が追っている、犬飼一狼太もね”
リトル 「ふん……そんな見え透いた手には乗らないわ。」
何者かの声 ”残念だけど、君はきっと、僕のところに来るよ。また会おう。リトル・ドラクレア……ははは……!”

以上です。なお、「何者かの声」というのはもちろん我らがムラサメ博士の声です。
とりあえず上の文章から分かる事を列挙してみましょう。

1. 「200kHzのパルス」とやらを使っている
2. リトルはそれを普通に受信している
2'. 普通には受信できず、バンパイアなら受信できるらしい
3. 肉声で返事をするリトルに、何者かの声は普通に応答している
3'. 更に言うと、見えてもいるっぽい

まぁ、3と3'は高性能な集音マイク&カメラでも使っていたと考えれば良いでしょう。
最大の問題は1です。パルスって何やねん。不連続な波全般を指すこの言葉だけでは全く分かりません。
手がかりは「200kHz」という数字ですが、これがパルスの繰り返し周波数を指すのか、基本周波数なのかも分かりません。というか、そもそもまず何の波なのでしょうか?

・仮説1 電波だよ説
まずは素直に波は「電磁波」であり、200kHzはパルスの繰り返し周期と考えてみましょう。電磁波の周波数は不明ですが、少なくともMHz以上だとは思われます。
リトルが受信できてしまう理由は不明ですが、きっと博士の研究でバンパイアに感度のある周波数やパルスパターンは明らかになっていたんでしょう。流石博士。凄いや博士。
しかし、受信しただけでは終わりません。音声が情報として乗せられ、リトルにはそれが聞こえている訳です。復号はどうやってるのかと。

いくら天才美少女バンパイアでも、デジタル通信だったらまず無理でしょう。アナログの変調方式にしても、周波数変調(FM)だとかパルスのDuty比を使ったヤツとか、複雑な復号回路が要りそうな方式は無理だと思います。
と言うわけで、変調方式は恐らく振幅変調(AM)の一番単純な奴。これなら、受信出来た波が何となく音に聞こえても不思議じゃないような気がします。いや私は電波を受信した事がないのでの分かりませんが。
そういえば上記シーンの博士のボイスは、他の場面に比べて籠もった感じになっている上、ホワイトノイズっぽい効果音が常に鳴っています。AM説は非常に有力です。

しかし、問題がひとつ。単なる電磁波をふつーにAMで垂れ流していたら、リトル以外の人間にも聞こえてしまいそうです。深夜だし、ラジオのリスナーとか受信改造した無線家とか居るって絶対。
基本波の周波数は不明ですが、例えミリ波とか一般的でない電磁波だったとしても、パルスの200kHzにチューニングしておけばふつーに拾われてしまいそうです。
まぁムラサメ博士なら、物好きな無線家など気にせずに我が道を行きそうですが、ちょっとスマートではないような気がします。と言うわけでこの仮説はちょっと無理がありそうです。



・仮説2 音波だよ説
電磁波でなければ何か。次に思いつく波と言えば音ですよ音。相変わらず基本波不明・パルス周期200kHzとして考えてみましょう。
とりあえず人間に聞こえそうもない音なので対盗聴性は高そうです。肝心のリトルに聞こえるかが問題ですね。
リトルはマリー戦で、「バンパイアはコウモリの一族だから音の扱いが得意」というよく分からない理論でマリーの怪音波攻撃を破っています。と言うわけで、コウモリと同等の耳の性能を持っているとして考えてみましょう。
「コウモリ 可聴域」でググってみると、色々引っかかりますが上限は120kHzという説が多く見られます。しかし、数は少ない物の「上限は200kHz弱」とする記述も見られますので、ここは都合の良い数字を信じましょう。
ギリギリのラインですが、だからこそ逆にリトルが聞こえるギリギリの線を狙った、という感じが出てきます。パルスで送ったのは、きっとそれくらいの音波を出せるスピーカーとかが無くて、なんかあり合わせの材料で造ったから〜とか、そーゆー事故的な理由に違いない。ほら、なんか科学者っぽいぢゃないですか。

これで全ての疑問は片付きます。200kHz超の高周波音が空気中をどれだけの距離飛ぶかという不安は残りますが、それは無茶苦茶高出力で出してるとかそーゆー力業で解決するとしましょう。なんか気付かれない内に近所迷惑になってそうですが。
さあ、これで誰にも気付かれずにバンパイアだけにメッセージを送れm……

……あれ? 空気の振動にAMで人の音声乗せたら、ふつーに丸聞こえにならね?

……

没。



・仮説3 謎の波だよ説
電波でも音波でも無理、と言うわけで第3の波を探してみましょう。
作中の文章を読んでいるとと、霊力とか魔力とかの怪しげな力が出て来ます。対妖魔研究をするムラサメ研究所ならこの辺の力を波動にして放出するくらいできそうですが、なんか科学的じゃないと悔しいのでこの辺は無視します。(ぉぃ)
と言うわけで他の記述に気を配ると、ムラサメ博士の親友(?)であるヘルシング教授がそのヒントを握っていました。
教授の超必殺技である、ショットガン型対魔兵器(笑)ノルン・アーキテクチャ。これの起動時に「重力波」が漏れ出して、周りの景色を歪めるという記述があります。
重力波なんて現実にはまだ証明されていないような代物(だったと記憶しているの)ですが、流石はムラサメ博士。フツーに使いこなして、ノルンの収納に役立てていたようです。

もちろん重力波なんてどんな性質を持っているか分かりませんから、バンパイアだけ拾えて他人には聞こえないとゆー事があっても良いでしょう。
つーか、もはや周波数がどうこうは関係無く「重力波で通信している」と言えば良いと思うのですが、そこはひねくれ者のムラサメ博士、わざと重要でない情報を与えているのでしょう。
いや、リトルも声が聞こえる原理なんかよく分からんでしょうから、「重力波を辿れ」よりも「秒間20万回くる刺激の強い方に来い」と言った方が通じるだろうという配慮なのかも知れません。
凄いよ博士! いつの間にそんな細やかな気配りを覚えたんだ博士!



と言うわけで本日の結論。

・ムラサメ博士は重力波でリトルに音を伝えていた。
・バンパイアは重力波をキャッチできる。
・ムラサメ研究所の科学力は世界一(多分)。
・この記事のタイトルに突っ込んじゃいやん。


と言うわけで、テキトーに見えるプリンセスナイトメアの世界は、実は深い科学的考察に基づいて創られているのかも知れません。99%そんな事は無いと思いますが。
posted by ひろし at 00:03| Comment(0) | TrackBack(0) | ゲーム四方山 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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